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つかの間の青空

とてもとても久しぶりの青空と日の光。
せっかくなので、記念写真を撮っておきました。

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夜になって、気がつけばまた、雨音が聞こえてきます。


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by bowww | 2016-09-25 22:34 | 身辺雑記 | Comments(0)

ここはどこのみち(秋分)

「すぐ近くのお宮がお祭りなんですよ」
 風呂から上がると祭り囃子が聞こえてくる。
 夕飯の時間はいつがいいか聞きに来た仲居に尋ねると、そう答えが返ってきた。
 そういえば、宿の裏手にこんもりとした鎮守の森が見えていた。
「ちょっと覗いてみようかな」
 私の独り言に、中年の人の良さそうな仲居はちょっと困ったように目を伏せた。
「地元の者(もん)だけの地味な祭りだから…大して面白くないと思いますけど…」
 小さな山里の祭りだから、よそ者は歓迎されないのだろうか。
「行かれるんなら、暗くなる前に。
 あったかくなさってくださいね、だいぶ風が冷たいですんで」
 夕飯の前に戻ると伝えると、仲居は再び愛想の良い顔に戻って部屋を出て行った。

 仲居の言葉が少し気になったが、鄙びた秋祭りの風情を楽しむのも一人旅の醍醐味だと出掛けることに決めた。
 浴衣から服に着替え、念のためカーディガンを羽織る。
 湯上がりの頬に、夕暮れの風が気持ちよい。
 宿の裏に回ると稲刈り間近の田んぼが広がり、鎮守の森を抱え込むように山が控えていた。
 まもなく沈む夕日に照らされて、振り向けば自分の影法師があぜ道に長く伸びている。
 虫の声が喧(かまびす)しい。
 神社にたどり着いた頃には、参道の提灯や石灯籠に明かりが灯されていた。
 参道には大きな杉が連なり、辺りより一段と闇が濃い。
 境内に人が集まっているのか、大勢の笑い声が時々わっと届く。
 祭り囃子はいよいよ賑やかだ。
 釣られて、少し浮かれた気持ちで歩き出す。
 そのとき、一際強い風が吹き抜け、提灯が一斉に揺れた。
 ぐらぐら揺れる明かりが参道の脇の暗闇を照らす。
 深紅の帯。
 満開の曼珠沙華。
 道に沿ってみっしりと花が並び、延々と続いている。
 風が、濡れたように赤い花の群を渡る。
 たゆたゆと、細い花弁が震える。

 そういえば先刻から、誰も来ないし誰ともすれ違っていない。
 誰もいない。


  舂(うすづ)ける彼岸秋陽(あきび)に狐ばな
   赤々そまれりここはどこのみち   木下利玄


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短歌及び作り話と、写真がまったく合っていませんがご容赦ください。。

木下利玄の故郷(岡山)では、曼珠沙華のことを「狐花」と呼んでいたそうです。
「舂く」は夕日が山に沈もうとする状態、だそうです。
曼珠沙華=彼岸花、写真に撮ってみたいのですが、なかなか出合えないのです。
気がつくと、民家の庭先や田んぼのあぜ道に咲いていたりして、盛りも過ぎてしまっていて…。
おっかなびっくり、でも憧れの花です。

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我が家の紫陽花に住み着いたアマガエルを記念撮影。
もう1匹、玄関先の植木鉢に住み着いています。
この2匹のおかげか、今年は門灯の周りに蜘蛛の巣があまり張られませんでした。
夜ごと小さな虫たちを食べてくれていたようです。
寒くなる前にしっかり肥えて、冬を越して、また来年会えるといいなぁ。

台風と秋雨前線のせいで、もう何日もお日様と青空を見ていません。
稲刈りもストップしてしまって、農家の皆さんが困っておられます。
早くカラッとスキッと晴れてくれないかしら。
厳しい残暑から一転、火の気がちょっと恋しいほど肌寒くなりました。
周囲でも体調を崩す人が多くなっています。
私は、秋の美味しいものを食べたい一心で、体調管理に励んでおります。
季節の変わり目、皆様もご自愛くださいますように。

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by bowww | 2016-09-22 21:59 | 身辺雑記 | Comments(0)

白玉の…(白露)

「昼酒ですか?いいご身分で…」
 嫌みを不快に感じさせないのは、こいつの人柄だろう。
 勝手知ったるといった風情で上がって来ると、独り者の卓の上を覗き込む。
「肴はないんですか?酒だけじゃ毒ですよ」
「昨夜は寝てないんだ。一杯引っ掛けて眠りたい」
 頼まれた原稿の締め切りは疾(と)うに過ぎていた。
 さすがに観念して原稿用紙に向かったものの、一文字も筆が進まない。
 それでも明け方近く、物語の糸が指先を掠めた。
 藁にもすがる思いでその糸を手繰り寄せ、どうにかこうにか物語が動き始めたところだった。
「君の方こそ、昼間っからぶらぶらしてて大丈夫なのか」
「私は先生が心配で寄ったんですよ。行き詰まったまま、いつ出奔するかと気が気じゃない」
 そう言うと彼は、今度は散らかった文机を覗き込んだ。
「おや。やっと始まった」
 私は背中で彼の気配を感じながら、湯呑みに酒を注ぐ。
 紙をめくる乾いた音が聞こえる。
「…なるほど」
 カサカサと原稿用紙を束ね、トントンと整える。
 特に感想は言わない。私も聞かない。
 彼はそのまま台所に向かうと、何やらゴソゴソし始めた。
 やがて香ばしい匂いがする一皿と、湯呑みをもう一つ抱えて戻ってきた。
「先生、何を食べて息してるんです?米櫃は空っぽだし、台所中探して揚げ一枚っきりですよ」
 その残り物の揚げに味噌を塗って炙ってきたらしい。
「どれ、ご相伴」
 酒瓶を掴み、自分の湯呑みに注ぐ。
「酒だけは上等ですね、いつも」
「うるさいな、不良学生め」
 私の悪態に、機嫌の良い笑い声が返ってきた。
 畳に落ちる明るい陽射しが目に痛い。
 土間の隅で、蟋蟀が一節鳴いた。

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若山牧水は酒と旅の歌人。
…というより、どうやらお酒依存症だったようですね。
  白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かにのむべかりけり
有名なこの短歌はとても素敵ですが、
  かんがへて飲みはじめたる一合の二合の酒の夏のゆふぐれ
という歌を読むと、牧水の心の奥を思わずにはいられません。
暗い淵を覗き込むような独り酒です。
飲まずにはおれない人だったのでしょうね。
お酒、好きです。
若い頃は、「鉄の肝臓を持つ女」と持ち上げられ(?)、調子に乗ってよく飲みました。
年を重ねれば、当然、鉄の肝臓も錆び付きます。
今では美味しいお酒を、美味しい食べ物と、大好きな人たちと一緒に、程よく頂くときが至福です。
晩酌は日本酒。小さなグラスに一合の半分だけ、と決めて飲むのが楽しいのです。
日本酒は、春夏秋冬全国各地、みんな違ってみんな旨い。
一日の終わりに、少しのお酒で、ふんわり良い気持ちになる時間が大好きです。
9月9日は「ひやおろし」(前年の冬に醸造した後、春夏と熟成させてから出荷するお酒)の解禁日。
行きつけの酒屋さんのケースが、一気に秋めく楽しい季節です。


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田んぼが日に日に金色を増し、稲が熟れていく甘く乾いた匂いがします。
所々には、真っ白なソバ畑。小さな可愛らしい花が満開です。新蕎麦の季節はもう少し後です。
実りの秋…とはいうものの、手放しで喜べないお天気が続いていますね。
台風が次々とやってきて、東北から北海道は大変な被害が出ています。
その影響か、残暑もジメジメ続いています。
どうか穏やかな秋が、早くやってきますように。

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by bowww | 2016-09-07 11:52 | 身辺雑記 | Comments(2)