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あけましておめでとうございます

一陽来復新玉の春。

「春」という言葉を信じてしまいそうになる穏やかな元日でした。
今年は弟家族が帰省できず、静かなお正月になりましたが、電話で互いの家族の元気を確認して新年を言祝ぎました。
一日の終わりには、絵に描いたような美しい三日月と宵の明星(右のほうにある、フィルムの傷のような光の粒がそれです。ぶれぶれですね、ごめんなさい。。)。

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あけましておめでとうこざいます。
ブログでご縁が繋がった皆様、たまたま立ち寄ってくださった皆様、お越し頂きましてありがとうございます。
あたたかいコメントや「イイネ」、一つ一つが嬉しくてニヤニヤしております。
これからもご縁を大切に、読んでくださった方がちょっと楽しい気持ちになれるようなブログを、ポツポツ更新できるように頑張ります。
よろしかったら、今年もお付き合いください。


子供の頃は盆暮れ正月(含・クリスマス)が大嫌いでした。
我が家は以前、父親が小さな店を経営していました。
元々、商売の才覚など微塵もなかったのだと思います。自営業の親戚もいませんでしたから、当然、経験もありませんでした。
時代がなにやら景気良くて、若かった父は雰囲気だけで「いける」と思ったのでしょうね。
いくら時代が良くても、やはり早々に行き詰まり、私が物心ついた頃にはいつもアップアップの状態でした。
それでも私と弟、二人の子供を飢えさせることなく育て上げてくれました。
父も母も能天気な性分だったし、その頃は健在だった二人の両親やお兄さんお姉さんたち(=祖父母や伯父伯母たち)が、影になり日向になり助けてくれたおかげで、私たち姉弟はさほど切ない思いはせずに済んだのだと思います。
ただ、盆暮れ正月はいけませんでした。
8月や12月が決算期だったのか、その時期になると家中がどんよりした空気に包まれます。
借りているお金が返せるのか、暮れなら文字通り「年が越せる」のか、暗い顔をした父が部屋の隅で通帳や書類をじっと見つめているのです。
嫌だったなぁ、あの雰囲気。特に12月。
子供心にもクリスマスプレゼントやらお年玉やら、とても強請れる状態ではないと分かります。
街はキラキラしているのに、家の中はピリピリでドヨヨン。。
母と暮れの買い物に出掛けても、「そんなに買って大丈夫だろうか?ご馳走食べてもいいのだろうか?」と気が気じゃなかったのです。

その後、あれやこれやありまして。
今では贅沢こそ出来ないけれど、お正月のご馳走ぐらいはなんとか奮発できるようになりました。
暮れの買い物に出掛けて、ほかの家族のことを羨んだり、欲しいものを遠慮したりしなくて良くなりました。
それだけで、顔が緩んでしまうくらい嬉しいです。
家族が健やかで穏やかなお正月がすごくすごくありがたいです。

子供の頃は、早く大人になりたかったです。
この鬱陶しい状況を切り抜ける力を、早く身につけたいと願っていました。
…なんて、そんなハングリー精神を発揮してバリバリ励んでいれば、私も一角の人間になっていた筈なのですが、実際はただただボンヤリと年ばかり重ねてしまいました。
能天気な性分は親譲りなのでしょう。
そして、折々にたくさんの方々からたくさんの愛情と手助けを頂きました。
子供の頃の私と弟に、「真っ当に頑張れば大丈夫、なんとかなるんだよ」と教えてあげたいです。


あけましておめでとうございます_b0314743_22005816.jpg
この靴、私が今まで買った中では一番高価なものになります。
本当は、うっとりするような美しいハイヒールを履いて闊歩するクールビューティーが憧れなのです。
が。
自分の無骨過ぎる足と雑な生活スタイルには、芸術作品のようなハイヒールはあまりに不似合いです。
ン十年生きてきて、ようやく納得しました。諦めがつきました。
この先、ハイヒールが必要になる場面はほとんどないでしょう。
私にはハイヒールで世間を駆け抜けるしなやかな強さはないし、覚束ない足元を庇ってエスコートしてくれる誰かもいません。
良くも悪くも、この足で一人で歩いていくしかありません。
だとしたら、頑丈な男前な靴の方が頼り甲斐があります。
私にとっては高価な買い物になりましたが、自分自身へのちょっとした決意表明。
丁寧に磨きながら、長く付き合っていきたいです。
…これを買ったために、冬のセールの誘惑を断ち切る(…断ち切らざるを得ない)という効用もありました…。


大切な人を大切にしよう。大切にできる力をつけよう。
そのためにまず、自分が健やかであろうと思います。



by bowww | 2017-01-01 22:03 | ご挨拶


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