華やげる(大雪)

 レンズの曇りが気になって眼鏡を外す。
 眼鏡拭き専用の布切れは、必要な時に限って見当たらない。
 辺りを見回し、着ているネルシャツの裾をパパッと払って、それでレンズを拭く。
 眼鏡を窓の方に翳し、汚れが取れたか確認する。
 年寄りじみた自分の仕草に苦笑いが漏れ、いやいや、もう充分に本物の年寄りだろうと、もう一度笑う。
 眼鏡を掛け直すと、少しだけクリアになった視界に、にぎやかな色の塊が飛び込んできた。
 孫が忘れていったマフラーだ。
 ローズピンクとベリーピンク、ラベンダー、白、黄色のチェック柄。
 手に取れば、外国のキャンディーの詰め合わせみたいなにぎやかさ。
 物心ついてから、こんな派手なものを身につけた覚えがない。
 気まぐれに、鏡の前でマフラーを巻いてみる。
 チンドン屋みたいと笑うつもりで鏡を覗くと、思わず「あら」と声が出た。
 我ながら、よく似合う。
 明るい色が反射するのか、表情が楽しげに見える。くすんだ肌もさほど見苦しくない。
 なるほどなるほど、年を取ったら明るい色の服を着ろというのはこういうことなのか。
 フワフワのマフラーに鼻先を埋め、そうだ、私はピンクの服がずっとずっと欲しかったのだと思う。
 子供の私が、胸の奥で嬉しそうに頷いている。
 

枯尾花夕日とらへて華やげる 稲畑汀子

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すっかりほほけた芒の穂が風に揺れていて、近づいてみると、日の光を孕んでとても綺麗だったのです。
このまま、光を含ませたままでおけたらいいのになぁ、寒いどんよりした冬の日なんかに取り出して、手の平で転がしたり、飾っておいたりできるのになぁ…などと妄想しておりました。
その後で見つけた稲畑さんの俳句です。
私が見た芒よりも、もっとぐっと激しい何かを秘めていそうですが…。
枯れてなお、光を纏う姿が愛おしくなります。


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師走、例年のごとくバタバタバタバタ、気忙しい毎日です。
自分の心のあたふたに引きずられてしまっています。
進歩ないなぁ…と反省してばかり。
落ち着いて一つずつ片付けていかなくては。
これは霧の朝に見つけた草の実。よく見ると、水滴がそのまま凍っていました。
思いがけず綺麗なものを見つけると、その日一日、楽しい気持ちでいられますね。

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by bowww | 2016-12-07 02:43 | 身辺雑記 | Comments(2)
Commented by 11hiyo at 2016-12-10 22:57
まったくもって寒くなってしまいました。
如何お過ごしですか?
こんなに寒いのに12月は流れ星のきれいな季節。
性懲りもなく空を見にいって
ブルブル震えて帰室。
曇っためがねが晴れる時、ほんのちょっと小春日和な気持ちに。
Commented by bowww at 2016-12-11 20:34
> 11hiyoさま。

今夜はだいぶ太っちょになってきた月が明るくて、雪の山が冴え冴えと浮かび上がって見えます。
目を凝らせば星も綺麗。
寒さ故の美しさ…ではありますが、寒いのは辛いです。。
腰を落ち着けて冬景色を堪能するのは、なかなか難しいですよね。
鳥インフルエンザ発生やら、大町の雷鳥脱走やら、酉年を目前にして何だかザワザワした年の暮れですね。
おへそにぐっと力を込めて、ちゃんと落ち着いて過ごさねば…と思っています。


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