絵本館のこと

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先月、安曇野にある小さな絵本館が長期のお休みに入りました。

「大人になってしまった人たちが、かつて子供だったことを再認識する場に」。
開館から四半世紀、緑深い林の中に静かに佇む絵本館です。
海外の作家を中心に、上質な絵本とその原画を紹介してきました。
少しダークな、陰影の深い絵本が多かった気がします。
日本の作家では酒井駒子さんの企画展が印象深く、ビロードのような画面が素敵でした。
ガブリエル・バンサンの描く絵本は、線だけで豊穣な世界が広がっていました。
自分の知らなかった絵本に出会える楽しみはもちろんでしたが、何よりもオーナーご夫妻とのお喋りがお目当てでした。
訪れる度に、「ああ!いらっしゃい」と歓迎して頂きました。
館内をゆっくり巡って作品や絵本を眺めた後は、奥さまが淹れて下さるコーヒーを飲みながら時間を忘れてお喋りしました。
館長さんは私の父親とほぼ同年代。なのに、いつも大きな瞳がキラキラとして若々しいのです。
奥さまは柔らかな雰囲気で聞き上手。エネルギッジュな館長さんと呼吸がピッタリです。
お二人に甘えて、世間話からちょっとした悩み事まで、取り留めなく聞いて頂きました。

絵本館を大切に思い、休館を惜しむ人たちが全国からやって来て、休館前の1ヶ月ほどは特にお忙しかったようです。
そして皆さん一様に「再開を待ってます」と言い置いていかれたそうです。
お二人は初めての「夏休み」を取って、のんびり旅行を楽しまれるとのこと。
今後のことは帰って来てから改めて考えるとおっしゃっていました。

駐車場に車を停めて深呼吸して、アプローチを辿って、少し重い扉を開けて、もう一度深呼吸。
とびきり上等な空気です。澄んだ冷たい水を飲むような。
帰り道はいつも満ち足りて、素直に「よし、また頑張るか」と思えるのです。
ちゃちな言葉になってしまうかも知れませんが、絵本館は私にとっての「パワースポット」。
思い浮かべると心がフワッと膨らむような、宝物のような場所を知っているだけで、私はちょこっとだけ強くなれます。
私、お金も才能も知恵も恵まれた容姿もない、ないない尽くしなのだけれど、「人の運」にだけは恵まれているのです。
いつでも必ず、手を差し伸べてくれる人や背中を押してくれる人がいます。
なので一度繋がったご縁は、さもしいほど手放しません。
絵本館のお二人と出会えて本当に良かった。
いつか恩返しが出来ますように。


猛烈に暑い日が続きますね。
作り話は8日に更新予定ですが、脳みそがお味噌汁になりそうなので、甚だ心許ないです。。
皆さんもご自愛くださいませ。



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by bowww | 2015-08-02 17:59 | 身辺雑記 | Comments(0)


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